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「三年番茶」ご存知でしょうか?
〜実は、おすすめのお茶なのです

三年番茶

三年番茶は摘み取った緑茶の茶葉と茎を天日干しし、3年熟成させた番茶のこと。
長い時間寝かせることでカフェインやタンニンなどの刺激成分が少なくなり、まろやかな味わいが特長です。

近年の健康ブームで再注目されている日本茶。
抹茶、ほうじ茶、煎茶などのスイーツや、食品が数多く販売されるようになりました。

そんな日本茶は、「食養生(食事でからだを健康にすること)」でも一般的に知られています。
「三年番茶」は食養生の一つ「※マクロビオティック」でもおすすめのお茶とされています。
※マクロビオティック:玄米菜食を中心として、その土地で採れたものを旬に食べことを基本にした食事法。

聞き慣れないお茶ですが、からだに優しくおいしいのでおすすめのお茶です。
今回は、その「三年番茶」について詳しくご紹介します。

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【目次】

1.三年番茶ってどんなお茶?

2.三年番茶の作り方

3.三年番茶の特徴~おすすめしたい理由

4.番茶、ほうじ茶との違い

5.三年番茶のおいしい淹れ方と応用

6.三年番茶を使ったレシピ

7.三年番茶についてのQ&A

8.マクロビオティックにおける三年番茶

1.三年番茶ってどんなお茶?

一般的な日本茶(煎茶)は、お茶の木の新芽を使いますが、三年番茶は新芽を使いません。
三年番茶は、番茶を3年間以上熟成させた茎や葉、または3年以上生育したお茶の木の茎や葉を使ったお茶です。

煎茶と比べ、刺激成分のカフェインやタンニンが少なく、赤ちゃんからご年配の方にも安心してお飲みいただける"からだに優しい"お茶とされています。

唐時代(中国)に日本に来た僧侶が伝授したものが、基本となっていると言われています。
このお茶は、野生の茶木を寒中に伐採し、小枝や小木はこまかく割って茶葉とともに焙じ、茶壷に入れて口を和紙で何重にも塞ぎ、3年寝かしたものでした。

これをマクロビオティックに取り入れて、茎6~7に対して葉4~3の割合のものを「食養茶(または食養番茶)」という名前で販売していたのが始まりだったようです。
現在の三年番茶は、このお茶の作り方を基本に多少異なる製法で作られています。

三年番茶

2.三年番茶の作り方

三年番茶は、3年以上熟成させているイメージがありますが、現在は3年未満の熟成期間のものでも、「三年番茶」を名乗る事ができます。
世の中にはたくさんの「三年番茶」が流通しているのです。
三年番茶として販売しているお茶が、必ず刈り取った茎や葉を3年以上熟成させているわけではありません。

2種類の製法

三年番茶には2種類の作り方があります。

3年間熟成させる方法
新芽ではなく、秋に収穫した番茶(大きく成長して熟したお茶の葉と茎)を刈り取り、蒸し乾燥させた後、荒茶の状態で3年間常温熟成し、焙煎して作る方法。
三年番茶

3年間"お茶の木"を栽培する方法
3年間刈り取らずに伸ばした茎と葉を刈り取り、蒸し、乾燥、荒茶の状態で、ある程度熟成し焙煎して作る方法。

この方法でつくられた三年番茶は、土地の養分を多量に含んでいるという特徴があります。
また、よりすっきりと甘い味わいの三年番茶を飲むことができます。
三年番茶

※これら2つの方法でつくる三年番茶は、長期に熟成・栽培をするので、健康面に様々なメリットがあると言われています。
※製法の違いなどがパッケージに記入されていることは少ないので、気になる方は購入する際に確かめてみるようにしましょう。

3.三年番茶の特徴~おすすめしたい理由

からだに優しい

一般の番茶には、カフェインやタンニンなどの刺激物が含まれていますが、三年番茶はこれらの成分が熟成・栽培されている間に少なくなるため、からだに優しいお茶です。

口当たりの良いお茶ですので、お子様からご年配の方まで、ご家族皆様でいつでもお飲みいただけます。
寝る前などのリラックスタイムにもおすすめです。

香ばしくまろやかで、ほのかな甘さ

茶葉と茎をじっくり乾燥、熟成させ焙煎しているので、独特の芳香があります。
緑茶のような苦味や渋味がなく、飲んだ瞬間、香ばしい風味がお口いっぱいに広がります。
また、一般の番茶よりもじっくり焙煎しているので、まろやかな甘みがあるのも特徴です。

毎日いつでも常飲できる

マクロビオティックでは、三年番茶はやや陽性に近い、バランスのとれた中庸のお茶とされ、「からだを温めてくれる」「消化吸収や新陳代謝に良い」などの作用があるため、毎日常飲できる理想的なお茶として、すすめられています。

また、殺菌性もあり、塩を加えて「うがい薬」の代用、鼻や眼の洗浄にも使用することもおすすめとされています。

「からだを温める」と言われている

根に近い下部の方の茶葉や茎を使用しているため、根菜類と同様に三年番茶は陽性の性質を持っています。
そのため、飲用することで、からだの内面から温める作用があると言われています。

「胃腸に良い」と言われている

「自然療法」では、三年番茶について、下痢・胃腸障害・吐き下しに良いとされ、「吐き下しの回数が多ければ、飲む回数も増やすように」とすすめられています。
※自然療法:身体本来持っている自然治癒力を活かして、健康維持や病気を治そうとする療法。
薬草、鍼灸や整体、カイロプラクティックも自然療法とされている。

国産有機農法の茶葉・茎を原料にしたお茶が多い

一般的に、茶畑で栽培され摘み取られた茶葉は、摘み取った瞬間から酸化酵素が働きだし、発酵が始まります。
そのため、朝一で摘まれた新鮮な茶葉は、すぐに工場に運ばれ処理を行います。

運ばれた茶葉は、洗浄工程が無く、すぐに蒸し工程を行い熱処理します。
この「蒸す」作業でお茶の風味がグッと閉じ込められるのですが、洗浄工程が省かれているため『有機栽培』がお茶を選ぶときのポイントです。

三年番茶は、自然療法やマクロビオティックなどで推奨しているお茶のため、国産&有機栽培のお茶が多く、乳幼児・妊婦の方からご年配の方まで、安心して飲めるお茶です。

4.番茶とほうじ茶との違い

三年番茶は、似たようなお茶「番茶」「ほうじ茶」と、どう違うのでしょう。
まず、「緑茶(不発酵茶)」の種類につき、下図に示しました。
三年番茶

番茶とは

製法は煎茶とほぼ一緒ですが、原料として夏以降に収穫した茶葉(三番茶・四番茶)、次期の栽培に向けて枝を整形したときの茶葉(秋冬番茶)、煎茶の製造工程ではじかれた大きな葉(川柳)などを用いています。
煎茶のように若葉ではなく、成長した葉を原料とするため、タンニンが多めですがカフェインは少なめです。

味は淡泊でさっぱりとした飲み口ですが、渋みを含んでいます。
地方によっては、原料の収穫時期や製法を変えている所もあります。
香ばしい風味を出すために茶葉を乾煎りし、ほうじ茶として飲まれることも多いです。
三年番茶
三年番茶との違い(三年番茶)
3年間熟成させた茎及び葉、または刈り取らず3年間生育した茎及び葉を使用していること。
焙煎しており、カフェインやタンニンが少なめ。

ほうじ茶とは

煎茶、番茶などをキツネ色になるまで強火で煎って(焙じて)、香ばしさを引き出したお茶です。
この他に、煎茶や番茶の仕上げ加工工程で選別した、形の大きい葉や茎を混ぜ合わせ、で煎った(焙じた)ものも含まれます。

で煎る(焙じる)ことによってカフェインやタンニンが飛ぶので、香ばしさとすっきりとした軽い味わいが楽しめます。
三年番茶との違い(三年番茶)
3年間熟成させた茎及び葉、または刈り取らず3年間生育した茎及び葉を使用していること。
三年番茶

違いをまとめると

「三年番茶」「番茶」「ほうじ茶」の大きな違いは、お茶の刈り取り方と製造方法。
お茶の木の茶葉を使う、という事以外に違いはないです。
ちなみに三年番茶は、食品表示法に基づく表示では、名称が「ほうじ茶」になっていますが製造工程の最終で焙煎してるためです。

5.三年番茶のおいしい淹れ方と応用

急須で入れる場合

三年番茶
一人分 茶葉 約4~5g程度(ティースプーンなら山盛り2杯、茶さじなら1杯)の茶葉を入れる。(飲む人が複数いる場合は必要に応じて足す)
沸騰したお湯を急須に注ぎ、2〜3分蒸らす。
湯のみに入れる(お茶が出なくなるまで絞りきる,複数の場合均等に注ぐ)。
※蒸らす時間を変えて、お好みの濃さをお楽しみください。

やかんで煮出す場合

やかんに水を入れ沸騰させる。水1ℓに対し、茶葉は10〜15g程度入れる。
茶葉を入れたら火加減を弱火にし、コトコト煮出す(グラグラ煮立たせないこと)。
すっきりとした薄い風味がお好みの方は、2分~3分したら茶葉を取り出す。
番茶の香ばしい風味が好きな方は、もう少し長めに火にかける。
茶葉を茶こしでこしながら湯のみに入れる。残ったお茶はポットなどに入れてください。

水出しの場合

1ℓの水に対し、茶葉は10〜15g (大さじ2杯)程度入れて一晩置く。
水出し用のポットがあるととても便利。※一晩放置は衛生上のため冷蔵庫で。
暑い日には、三年番茶の水出しもおすすめです。

ティーバックの場合

商品に記載されている淹れ方でお楽しみください。

淹れる時のおすすめポイント

共通ポイント
水:浄水器を通した水、軟水のミネラルウォーター(硬水は避ける)を使うと、より風味が引き立ちます。
※硬度60mg/L未満が軟水(硬度はパッケージに表記されています)

やかんで煮出す場合のポイント
金属製でも問題ありませんが、土瓶などの磁器製のものを使うと三年番茶の風味をより楽しめます。

<応用>
三年番茶を使ったアレンジお茶のご紹介。
各お茶のおすすめは、マクロビオティックや自然療法で紹介されている内容です。

梅醤番茶 代表的なアレンジ茶!
梅干し+醤油+生姜+三年番茶
梅干し中粒1個を湯呑の中でつぶし、醤油小さじ1.5と生姜おろし汁を2~3滴入れ、そこに熱い三年番茶を注ぎ混ぜてできあがり。
おすすめ:疲労回復、食欲不振、胃痛、腹痛など

梅干番茶
梅干し+三年番茶
梅干し中粒1個に熱い三年番茶を淹れて、種だけ残して飲みます。
おすすめ:老廃物や疲労回復

梅生番茶
梅+生姜+三年番茶
梅干し中粒1個にすりおろし生姜を少量混ぜ、熱い三年番茶を注ぎます。
おすすめ:お腹の調子改善

醤油番茶
醤油+三年番茶
湯呑に醤油を1、2滴たらし、熱い三年番茶を注ぎます。
おすすめ:新陳代謝アップ

塩番茶
自然塩+三年番茶
三年番茶に1%の塩を加えて煮立たせます。
おすすめ:のどが痛むときは、塩番茶でうがい。
また、冷ました塩番茶は、目の洗浄にも良いと言われています。

6.三年番茶を使ったレシピ

(1)アップルフレーバーティー 三年番茶で<調理時間10分>

自家製フレーバーティーは上品でおいしく、安心!冬のティータイムに

4人前

【材料】

りんご
1/4個(小さなさいの目切りにし、よく晴れた日に2日干す)
三年番茶
12g
4カップ

【作り方】

①お湯を沸かす(別のお湯でカップ類を温めておく)。
②三年番茶にドライアップルを混ぜる(他のドライフルーツでも可)。
③手順②をポットに入れる。
④手順③に沸騰したお湯を入れる。3~4分蒸らす。
⑤茶こしを通しカップに注ぐ。

(2)三年番茶のオウギョウチー風<調理時間20分>

台湾のひんやりしたスイーツをイメージしたさっぱりゼリー。

4人前

【材料】

三年番茶
600cc(飲める状態)
てんさい糖
大さじ2
寒天パウダー
大さじ1と1/2

【シロップ】

レモン汁
大さじ3
ビートオリゴ(てんさい糖シロップ)
大さじ2
100cc

【作り方】

①三年番茶(飲むお茶になっている状態)、寒天、てんさい糖を鍋に入れ、火にかけ、しっかり混ぜて寒天を溶かす。
②バットなどに手順①を入れ、固める。
③シロップを作る。材料をすべてしっかり混ぜる。
④手順②が固まったら、容器に大きなスプーンなどですくって入れ、手順③をかけていただく。

(3)切干大根の三年番茶煮<調理時間20分>

胃が疲れやすい時期、胃腸にやさしくいたわるようなおかずを、そして小食にするとからだも休まります。

4人前

【材料(4人前)】

切干し大根
50g(水でさっと洗う)
三年番茶
大さじ4(煮だしたもの)
淡口醤油
大さじ3
生姜のすりおろし
少量
米飴
大さじ1
白いりごま
小さじ2

【作り方】

①鍋に切干大根、三年番茶、そこにひたひたになるまで水を入れ、火にかける。
②生姜、淡口醤油を入れしばらく煮る。
③水分が減ってきたら米飴を加え、煮詰める。
④仕上げに白いりごまをふる。

7.三年番茶についてのQ&A

Q1:三年番茶とはどんなお茶ですか?
A1:番茶を3年間以上熟成させた茎や葉、または3年以上生育したお茶の木の茎や葉を使ったお茶です。
一般的なお茶「煎茶」と比べ、刺激成分のカフェインやタンニンが少なく、赤ちゃんからご年配の方にも安心してお飲みいただける、からだに優しいお茶とされています。

Q2:なぜ3年ですか?
A2:三年番茶というものは商品名で、その定義は以外と曖昧です。
あるメーカーのものは、お茶の木で3年育った葉・茎を収穫したもの。
あるものはお茶の木から番茶として収穫した葉・茎を3年熟成させたものを使っています。
世の中にある三年番茶は、これらが入り混じっているようです。

そこで、なぜ3年かという所から考えると、いずれの場合でも3年経過することでカフェイン成分が少なくなり(正確にはお茶なので100%ではない)、正食、陰陽の観点から、より陽性(からだを温める)性質になったお茶となるからと言われているためです。

Q3:番茶との違いは?
A3:3年間熟成させた茎及び葉または、刈り取らず3年間生育した茎及び葉を使用していること。
また、焙煎しているため、カフェインやタンニンが少なめです。

Q4:なぜ、三年番茶はカフェインが少ないと言われているのですか?
A4:一般のお茶(煎茶など)にはカフェインや、タンニンなどの刺激物が含まれています。
三年番茶はこれらの成分が3年間熟成、または3年栽培されている間に少なくなり、焙煎することでさらに少なくなっているためです。

Q5:妊婦さんや赤ちゃんが飲んでも大丈夫と言われていますが、本当でしょうか?
A5:Q4の回答に様に、三年番茶はカフェインやタンニンが少ないので、妊婦さんや赤ちゃんにもおすすめのお茶です。

8.マクロビオティックにおける三年番茶

三年番茶はやや陽性に近い、バランスのとれた中庸の理想的なお茶

マクロビオティックの考え方に「陰陽」があります。
その中で、バランスのとれた状態のことを「中庸」(偏りのない中間)と言い、理想としています。

マクロビオティックの観点から見ると、新芽を使う緑茶、特に煎茶はカフェインが多く、色が青みがかっているので比較的陰性なものと言えます。
陰性の食品はからだを冷やし、内臓の弱い方は代謝を悪くしてしまうので避けた方が良いとされています。

タンニンやカテキンも同様で体質・体調によっては常用しないほうが良いと考えられています。
一方「三年番茶」は古い茎や葉を使ったり、長期間寝かすため、新芽に多量に含まれる刺激成分のカフェインが少ないうえ、さまざまな成分が自然分解して減ってきます。
そのため、三年番茶を口に含むと、香ばしくておだやかな滋味が広がり、なんとも言えないおいしさがあります。

三年番茶は、いわば陽性の方向に作り出すことにより、陰性のお茶を中庸にしたお茶です。
そのためマクロビティックでは、刺激性の成分を避けたい病人や子ども、お年寄りにも最適な飲料としておすすめしています。

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有機の茶の木を枝ごと切って刻み乾燥させてじっくり寝かして熟成させ、ティーバッグにした便利な番茶です。
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まとめ

●三年番茶とは、番茶を3年間以上熟成させた茎や葉、または3年以上生育したお茶の木の茎や葉を使ったお茶です。
詳しくは、三年番茶ってどんなお茶?

●三年番茶はタンニンやカフェインが少なく優しいお茶。
また、胃腸に良く、からだをあたためてくれると言われています。
詳しくは、三年番茶の特徴~おすすめしたい理由

参考文献
・Life is Macrobiotic Vol.05(2011-2012) 特集「三年番茶」|日本CI協会
・「三年番茶」|葉っピイ向島園株式会社、株式会社菱和園、株式会社播磨園製茶ホームページ
・「Happy Letter / 寒い朝。あったいお茶がはいりましたよ~」|葉っピイ向島園株式会社
・「家庭で出来る自然療法」(あなたと健康社)|東城百合子著
・『番茶と日本人』 吉川弘文館〈歴史文化ライブラリー〉|中村羊一郎著
・お茶百科事典 日本の緑茶 番茶/ほうじ茶|公益財団法人 世界緑茶協会